今日は少し技術的ことについて。
竹の曲げる方法です。 随分前に書いたのに、閲覧数が多いので赤字で少し補足を加えます。 2016年6月19日 2018年2月1日 方法はいくつかあるのですが,大まかに分けると 1、手で曲げる 青竹細工などをする方は、大体膝や手で曲げ癖を付けながら曲げます。 山から伐採した竹をそのまま使うので、粘りがあって柔らかいんです。 緩やかな曲がりの縁や取手など。 180度に折り曲げるような籠は、やっぱり火でぐにゃぐにゃになるまで熱して折り曲げます。 2、熱で曲げる アルコールランプ、業務用ドライヤー、ガスバーナーなど様々 この「曲げる」という技法が、なかなか奥が深いんです。 以前紹介した台湾の椅子は、バーナーで曲げていましたが、曲げる部分をノミで彫って薄くして曲げていました。 日本でも、たまにこの技法を使っているのを見かけます。 また、重箱のように2段以上重ねる籠になると、縁の部材を外縁・柾・内縁・内々縁と、順に曲げる角度を少しずつ急にしてゆきます。 そうしないと、籠がうまく重ねられないのです。 火で熱してすぐ木ゴテに当てて、曲げ角度を揃えるという方法もあります。 いずれにしても、なかなか厄介な仕事です。 時間とともに縁が歪む場合もありますし、竹の仕事的には避けたい仕事。 茶道具の提籃が例です。 木の重箱はよく見ますが,竹籠の重箱をあまり見ないのは、縁の曲げ方が技術的に難しいからです。 角物師といって、四角の竹籠を専門に製作する人たちが居ましたが、そういう方達は仕事が速いので火で曲げます。 植木鉢と瓦を加工して簡易の火曲げ台を製作している人もいます。 中心部の穴の大きさを、曲げ角に合わせて調整します。
竹を水につけておいて柔らかくし、管の中に入れてドライヤーで熱すると丸く曲がります。 DIYショップで安く、しかもいろいろなサイズがあるので便利です。 本職の人が、竹を丸く曲げるとき、「火曲げ軸」という鉄やステンレスでできた円筒状の道具をよく使います。 下から筒を熱し、竹ひごを筒にしばらく当てると丸くなる、という道具です。 ただ、熱するまでに時間がかかること、特注なので価格が高い(5万円〜)、円のサイズが少ないことがネックです。 私も持っていましたが,あまり使わないので友人に譲りました。 せっかちの人には向かない道具ですね。 いろいろ工夫して代用する方法もあるので,考えるのもまた楽しいです。 最近、特注で火曲げ治具を制作しました(3段で5万円)。 同じ円をたくさん作る時は、やっぱり便利です。 厚みや節がある部材を曲げる時は、火曲げ治具で曲げたほうが綺麗に曲がります。 5段で約5万円(台付き)を更に購入(2017年)。
by first-nakatomi
| 2010-02-22 23:24
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