最後まで書いたのに消えてしまったので、もう一度気力を振り絞ってレポートします。
第46回くらしの中の竹工芸展 〜3月7日(3月1日は休館) 8時半〜17時 場所 別府市竹細工伝統産業会館 審査委員長の生野徳三先生の講評を聞いているところです。 写真が暗いので、秘密結社の集会のようですが、会場は明るく熱気に溢れていました。 近年、受賞作のレベルが上がっているように感じます。 一時期は「受賞該当作なし」の賞が、いくつもあったのが嘘みたいです。 新しい傾向の作品や、若い出品者も増えて来て、未来は明るいですね。 大賞 佐藤尚康さんの「踊華」 ゆっくり時間をかけて作られた大作です。 フォルムの緩やかなラインが、エロスを感じさせますね。 仕上げも、いい艶が出ていました。 一日に2㎝しか進まなかったようですが、手間ひまを惜しまず編まれたことがにじみ出ています。 久しぶりに、私も精巧な花籠が作りたくなりました。 ご本人は頑丈な体格の人なのに,繊細で技巧的な作品を作られるのがおもしろいです。 作品の詳細は、佐藤さんのブログでも紹介されています。 http://blog.bamboo-plus.com/ 入賞 杉浦功悦さんの「Sailing the ocean」 新しい組み方の作品。 こういう一見簡単なような作品が、本当は作るのが難しいです。 ひごの長さはすべて違っていますし,縁をよく見ると、苦心の跡がわかります。 縁の内部は、穴をあけたひごに一本づつ糸を通して固定しているそうです。 新しい作品を作るときは、新しい技術を生み出す必要が出てきます。 さわやかな作品でした。 入賞 森友恵さんの「hikari」 柔らかいフォルムの照明。 以前ブログで制作過程を紹介しましたが,こうなったんですね。 台とのバランスも取れていて、完成度が高くまとまっていました。 竹板の使い方は、いろいろ発展させられそうなので,今後が楽しみです。 実物は上の写真よりもいいので、ぜひ会場でご覧ください。 入賞 松田浩樹さんの「春の休日」 今回一番衝撃を受けた作品です。 キャリア2年目で、こういう前衛的なものを作る人が出てきたことに驚きました。 初めは基礎をしっかりと、という考えが強い産地で、こういう縁の処理をすることは非常に勇気のいることです。 作ることもそうですし,出品することもそう。 また、賞に選ぶ側もすごいなあと思いました。 時代が変わりつつあることを感じさせる作品です。 作品の完成度は、まだこれからだと思いますが,勇気に心から拍手を送りたいです。 私が作りたいものと傾向が少し似ている気がしたので,うかうかしていられないですね。 入賞 森千里さんの「MOON RIVER」 竹の一閑張りの作品。 今までにない質感。 ゆったりした遊び心が感じられて、竹ばかりの中で映えていました。 壁面でも、天井でもいろいろ応用できる質感の技術です。 一閑張りは、なかなか発展のさせ方が難しいジャンルですが,がんばってほしいです。 和紙の白色が分かりにかったので,展示の照明は普通の色のほうがよかったかな。 入賞(買い上げ) 本田治典さんの「宙」 自分の先生なので書きにくいんですが,緊張感のある作品でした。 膨らみが限界まで来ていますね。 いつもぎりぎりのところでものを作っているので,崩壊することもありますが,作品として成立したときはすごいものが生まれています。 地元に一点でも作品が残ることはよかったです。 以上展覧会レポートでした。
by first-nakatomi
| 2010-02-23 21:59
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