竹の油抜き

生野先生の工房へ、竹の油抜き作業の見学にお伺いしました。
なかなか見ることの出来ない仕事なので、とても勉強になりました。

一般に竹細工では山に生えている竹を、伐採してすぐに使うことはあまりありません。
農家で使う昔ながらの竹籠(青物)をつくる竹職人はそのまま使いますが、竹に含まれる養分が残っていて、長期保存がきかないので、すぐにひごにする必要があります。
青物は、香りと鮮度が命。
生野菜のようなものですね。

近くに竹林がある場合はよいのですが、なかなか難しいので、多くの竹職人は製竹業者から竹を購入します。
この竹は、竹に含まれる油を抜いて、天日で干した白竹(晒竹)です。
こうすると何年も保存できます。
クラフトの竹籠を「白物」というのは、白竹を使うからですね。

竹の油を抜く方法は、湯抜き(お湯に苛性ソーダを少し入れて煮る)と火抜き(火であぶる)の2つがあり、今回見学した方法は昔ながらの火抜きです。
火抜きの方が、艶が出ますし、硬めに仕上がります。
本当に惚れ惚れとするような艶です。




工房の外に立てかけてある、油を抜く前の青竹。
2ヶ月ぐらい陰干しした状態です。
伐採してすぐに油抜きをするわけではありません。
また、あまり水分が抜けすぎても、油抜きに時間がかかるので、2ヶ月ぐらいがちょうど良いそうです。






油抜きの作業風景。
下から熱を加えて、ゆっくりと竹の油分を出して拭き取ります。
直接火があたると焦げてしまうので、円形の筒の中を通して熱を加えます。
あたりにぷーんと甘い香りが。




油が抜けて、色が変化してゆくのがわかります。
4メートルの竹1本の油抜きで、約1時間。




節に油分が残りやすいので、竹の棒で取り除きます。
この作業をしないと、天日で干す際にむらになります。
これだけ丁寧に竹を油抜きする工房は、日本にもあまりないと思います。




油を抜いた竹。
山で日光にあたっている部分は、すこし白くなっていますが、天日で干せばムラなく美しい黄金色になります。




作業場の竹を立てかけるところには、わら縄が巻いてあります。
竹に傷がつかないようにですね。
まだこの段階では表面が柔らかいので、傷がつきやすいのです。


これから天日に1ヶ月ぐらい干して、ようやく白竹の出来上がり。
長い時間をかけて竹を作っていることがわかります。
本当に時間のかかる仕事なんですね。

こうした火抜きの方法は、とても手間がかかるので、行う人がいなくなりつつあります。
でも、残してゆきたい技術です。
いつか自分も、竹をこうして作ってゆきたいです。
by first-nakatomi | 2010-05-24 23:01 | open process | Trackback
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