竹の油抜き 2012年

大分県産業科学技術センターの二宮研究員を迎えての油抜き講習会は、とても勉強になりました。
やっぱり実技指導は身に付きますね。
ありがとうございました。


苛性ソーダを水に0,02%〜0,05%投入。
今回は2g(こんなに少量!!)
たくさん入れるとアルカリで、竹が黄色くなるので注意。

また、苛性ソーダは水と反応して熱を持つので,熱湯には投入しないこと。
水蒸気爆発を起こす可能性があります。
苛性ソーダは、薬局で1kg 約1,000円。

アルカリは酸よりも、扱いに注意が必要。
酸は触れると痛みを感じるが,アルカリは何も感じないけど皮膚に穴があきます。
作業は眼鏡をして!!
直接皮膚につかないように。
劇物指定されているので、念のため保管は鍵をかけて。
また、湿気を吸い易い特性を持つので、きちんと密閉して保管しましょう。

怖いように感じますが、毒物ではないので、扱いをきちんとすれば何も問題ありません。
廃油で石けんを作る環境系のワークショップでも使われていますから。

湯を沸かしているところ。
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油抜きを終えた孟宗竹。
節の汚れは、なかなか取れにくい。
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天日で干す。
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生物は弱酸性なので、竹を煮ると中和されて中性に近くなります。
アルカリが弱くなったら、苛性ソーダを追加投入しましょう。

使用後はリトマス試験紙でチェックして、アルカリが強ければ酢酸(強いお酢)で中和します。
酢酸は酸性が強いので,10倍に水で薄めて投入すること。

廃液は竹の油でドロドロになってました。
科学の力ってすごいですね。
正しく使えば、ものすごく役に立ちます。

<何故竹の油を抜くのか>
竹の表皮に油分があると、中の水分が抜けないで腐ってしまうから。
青竹をそのままおくと、腐ります。
青竹の表皮を磨けば、油抜きしたのと理屈は同じなので、長期保存できます。


きれいな白竹は、製竹業界の高齢化でますます入手困難になります。
油抜きも自分でできるような体制を整えることが急がれますね。
by first-nakatomi | 2012-01-24 21:26 | open process
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