早野久雄 竹のクラフトデザイン展 レポート

別府市竹細工伝統産業会館で、5/11まで行われている、故早野久雄先生の遺作展に行く。

戦前に漁師籠を作っていた竹職人が、日本のクラフト運動の興隆に刺激を受けて、別府竹業界に新しい風を吹き込む「グランドデザイナー」となられる人生を体感できる展示会。
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田舎の竹職人というよりは、現場を良く知る大学教授のような方でした。
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早野先生が別府に取り込んだクラフトデザインは、ブルーノタウトや、コルビジェの弟子のシャルロットペリアンが、日本の伝統工芸技術を生かしたモダンデザインに始まります。
もともと外貨獲得のために、国が主導していた工芸品輸出振興策でしたが、戦後の西洋化した生活スタイルに合う伝統工芸品を作ろうという動きに変わってきます。

この作品は、編みや大きさは違いますが、タウトに影響を受けていたのかなと想像します。
タウトのものよりも工芸的で、折り返しの丸みが、やわらかくて心魅かれます。
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先生の活動は、海外での竹文化普及活動(ベルギーなど)や技術指導(ビルマ)、文化人類学的な東南アジアでのフィールドワークなど多岐にわたり、ひとくくりに出来ないスケールの大きさがありますが、大きな功績は別府竹業界にモダンクラフトの考えを取り込んだことと、「別府竹細工」の定義を整理して国の伝統的工芸品の指定を獲得したことだと思います。
by first-nakatomi | 2014-05-05 21:53 | thinking
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