竹と油絵の具 (その1)

友人の画家 K氏に依頼して、竹に油絵の具の着色実験をしてもらいました。
軽い気持ちでお願いしましたが、かなり詳細なレポートを頂きました。
色の世界も追求し始めると、深淵な世界だと痛感。

あ、これから専門的になりますので、興味のない方は飛ばして下さい。

レポートを要約すると、

まず、油絵の具の色には透明/半透明/半不透明/不透明の4種類の分類があり、さらに1つの色にもライト/ミディアム/ディープあります。
さらに製造会社により色は異なります。
この時点ですでに、色の選択にくじけそうです。

例)オランダのターレンス社/透明色ウルトラマリンブルー/ディープ
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そして、油絵の具を溶くための油の配合も考える必要があります。
油により仕上がりや発色が異なるからです。

K氏のお勧めの配合は、
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全てホルベイン社製、左から
リンシードオイル  20%
サンシックンドポピーオイル  20%
スタンドリンシードオイル  50%
ルツーセ  10%

の配合で作り、その油を右端のターペンタイン(テレピン)2倍希釈で油絵の具を溶く。

ポピーオイル(ケシの種子)よりもリンシードオイル(亜麻仁油)が多め。
理由は、絵の具がリンシードオイルで溶かれている、
リンシードの方が乾燥が早く強い画面に仕上がるから。

ポピーオイルをベースに作られているルソルバンという調合溶き油もありますが、主に初心者が用いるようなもので、乾燥に時間がかかり、画面もやや弱めに仕上がるのであまりよくありません。
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また、乾燥が早いクイックドライングメディウムという油もあり、配合する事無くそのまま使えますが、筆のタッチが残る硬めの性質という事と、完成後にクラック(ひび)が入るという問題があるので、これもおすすめできません。
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油絵では、仕上げにタブロー(完成ニス)を使います。
乾燥して艶が無くなった絵の具に光沢を与えるという目的と、絵の具の上に膜を作り大気中の汚れや紫外線による画面の古色を防ぐ効果があります。
油絵の場合、数十年数百年経過し色あせた作品は、テレピンで上層のニスを落とし、新たにニス掛けする事で元の鮮やかな色彩が復元されます。
ただ、竹の場合にタブローを使う必要があるのかはわかりません。
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艶のある仕上がりにしたい場合は、溶き油にルツーセ(光沢を出す油)を少し加え、艶を出したくない場合は、ルツーセを加えないのがよいでしょう。
by first-nakatomi | 2015-02-02 22:22 | open process
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