竹と油絵の具 (その2)

色の試験をする目的は、主に退色対策と多様な色の獲得です。
これまでの、染色・漆仕上げの技法とは違う仕上げ方法を探ることで、より幅広い色表現ができれば、竹工芸界も新しい世界に進むことができると思います。

現段階で考えているのは、

染色⇒アクリル絵の具⇒油絵の具
アクリル絵の具⇒油絵の具
油絵の具のみ


染色⇒色カシュー⇒漆
染色⇒色漆(色の種類は少ない)

(カシューは色の種類も豊富で、漆との相性も良いので可能性のある塗料です。)
染色で細部まで色を付け、色カシューで色の調整と退色予防、最後は薄く漆で高級感のある艶を出す。

自然派指向の竹芸家には、
天然染料⇒漆/天然素材系の塗料やニス
などの仕上げ方法を研究してほしいですが、私は耐光性のある色を求めるので、科学の力を借りるスタンスです。
スマホも使うし、車にも乗るので、竹にだけ科学の力を使わないのも偽善的なような、、、。

これからは油絵の具について、

ジェッソなどの下地無しの竹の表面に、不透明色のコールドグレーを塗装。
左側が1層塗りで、右側が2層塗り。
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1層塗りだと竹のナチュラルな色が表面に影響を与え、光が当たる程シルバー系統の色合いになりました。
2層塗りだとコールドグレーが持つ寒色系に仕上がりますが、アクリルにない艶が出てシルバー系に近いグレーではあります。
画像はニス未塗装状態ですが、照明があたるとご覧のような光沢があります。
コールドグレー1層塗りの拡大画像。
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竹のナチュラル色がうっすらと透け、少し配合してあるルツーセの影響で光が当たるほどにシルバー系に見えます。
ちなみに『シルバー』の油彩絵の具は、アクリル同様にラメが入っていて、竹の表面に塗ると竹本来の質感がなくなり、表面にザラツキも出そうです。

下地無しの竹に、不透明色のカドミウムレッドミディアムを1層塗り。
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筆ムラなくフラットに仕上がり、1層塗りだけでも竹にしっかりと着色。
この上に透明・半透明の他の色を重ねる事でより深みのある色にして行く事が可能だと思います。
油彩絵の具ですが、下地材無しでもわりと竹にはしっかりと着色できるようです。
課題は、編みに塗った場合に、色むらがどの程度でるのかです。

現実的な方法は、
染色⇒色カシュー⇒漆
ですが、実験しないと発見もないので、長いライフワークで色の課題に取り組みます。

漆のような高級感があり、接着効果もある塗料はなかなかないので、
伝統と現代をうまい具合に組み合わせて/使い分けてゆきます。
by first-nakatomi | 2015-02-06 22:10 | open process
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