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「パラレリズム」と「倍音」

久しぶりに日曜美術館を見ていました。
特集は国立西洋美術館の「フェルディナンド・ホドラー展」。

ホドラーは、類似する形態の反復によって絵画を構成する「 パラレリズム」という方法を提唱しました。
同じような形を反復することで、作品の強度を増すことができます。
また、作品にリズムを取り込み、音楽性を持った絵画を表現します。

同じような言葉に「倍音」という言葉があります。
数年前に尺八奏者の中村明一さんが、認知させた言葉で、音に共鳴したり付随してくる音のこと。
パラレリズムの考えと似ています。

繰り返すことで、強度を増したり、リズムを表現するというのは、とても共感できます。
ここ5年ほど、竹のパーツを繋げることで作品を制作していましたが、自分がなぜそうしたものに魅かれるのかを知る手がかりになる番組でした。
by first-nakatomi | 2014-12-05 21:19 | thinking

花と器展レポート

別府の古美術「三昧堂」さんでの展示会が始まりました。
さまざまな時代の美意識をくぐり抜けてきたきた古美術品と並ぶと、
自分の作品の善し悪しがよくわかります。
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花匠・坂村さんの生け花教室に参加。
恥ずかしながら、初めて自分の花籠に花を生けました。
はまりそうです。
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自然と真剣に向き合うと、花から力をもらえました。
by first-nakatomi | 2014-11-24 21:00 | thinking

早野久雄先生の展示会小冊子

早野先生の追悼展の冊子を、弟子の大橋さんを中心に作っています。
少部数の発行ですが、関係各所に配布する予定。
機会がありましたらご覧下さい。

「 はじめに

早野久雄先生は、つねに時代の先を見据えて活動された、スケールの大きな竹芸家でした。
先生の仕事は、地元の漁師籠を作ることから始まり、ブルーノ・タウトの流れを汲むクラフト哲学を別府の竹業界に伝え、別府産業工芸試験所所長として竹業界を先導されました。
また、海外にも頻繁に赴き、ビルマでの技術指導や、欧米での竹文化普及活動、文化人類学的な東南アジアでのフィールドワークなど、たった一人の人生とは思えない多彩な活動をされています。

今回の回顧展では、先生の多岐にわたる活動のうち、クラフトデザインという視点で先生の仕事を振り返りました。
確かな技術と、古びることのない美意識に裏打ちされた、「竹のクラフトデザイナー 早野久雄」の世界に足を踏み入れてください。
そこには、次世代の竹職人にとって、学ぶべき多くの遺産が隠されています。

2014年5月 BAICA 中臣一 」
by first-nakatomi | 2014-05-21 21:13 | thinking

早野久雄 竹のクラフトデザイン展 レポート

別府市竹細工伝統産業会館で、5/11まで行われている、故早野久雄先生の遺作展に行く。

戦前に漁師籠を作っていた竹職人が、日本のクラフト運動の興隆に刺激を受けて、別府竹業界に新しい風を吹き込む「グランドデザイナー」となられる人生を体感できる展示会。
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田舎の竹職人というよりは、現場を良く知る大学教授のような方でした。
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早野先生が別府に取り込んだクラフトデザインは、ブルーノタウトや、コルビジェの弟子のシャルロットペリアンが、日本の伝統工芸技術を生かしたモダンデザインに始まります。
もともと外貨獲得のために、国が主導していた工芸品輸出振興策でしたが、戦後の西洋化した生活スタイルに合う伝統工芸品を作ろうという動きに変わってきます。

この作品は、編みや大きさは違いますが、タウトに影響を受けていたのかなと想像します。
タウトのものよりも工芸的で、折り返しの丸みが、やわらかくて心魅かれます。
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先生の活動は、海外での竹文化普及活動(ベルギーなど)や技術指導(ビルマ)、文化人類学的な東南アジアでのフィールドワークなど多岐にわたり、ひとくくりに出来ないスケールの大きさがありますが、大きな功績は別府竹業界にモダンクラフトの考えを取り込んだことと、「別府竹細工」の定義を整理して国の伝統的工芸品の指定を獲得したことだと思います。
by first-nakatomi | 2014-05-05 21:53 | thinking

ロットナンバー

「廿ノ十六」(16/20)
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今回の作品は20個限定なので、ロットナンバーを記しています。
実際は、形は同じですが、色のバリエーションがあり、すべて同じではありませんが、複数制作(マルチプル)する場合の礼儀として記しています。
by first-nakatomi | 2014-02-28 23:11 | thinking

箱書き

桐箱に箱書き。
失敗が許されない(桐箱は高価なので)文字を書くというのは、
かなりの集中力とエネルギーを使います。
PCで文字を打つことの気安さとは対極。
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まだまだ、字も精進が必要です。
by first-nakatomi | 2014-02-28 21:57 | thinking

大分県竹製品海外販路開拓事業

大分県の事業で、竹製品を海外へ輸出する3年計画の事業。
初年度はジュエリーで、予想以上に好評に博しています。

2年度はセンターピース。
テーブルの中心に置いて楽しむ、オブジェ的な商品開発です。
表現したいコンセプトを元に、新しい竹の世界を切り開きます。
乞うご期待。
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by first-nakatomi | 2013-11-30 22:14 | thinking

「エディション」と「マルチプル」

カタカナばかりで申し訳ないのですが、
前回書いた「ユニーク」と「エディション」の区分けの補足。

海外のギャラリーの方に聞いたところ、複数制作される立体作品の場合は、
「エディション」と言わずに「マルチプル」というそうです。

ただ、現代彫刻などの「マルチプル」は、アーティストが発案・設計・監督をおこない、工業的な手段で作品制作をすることが多いので、すべて同じものがつくられるのですが、竹の作品の場合がそれに当てはまるかは、難しいところのようです。

型を使っているわけではなく、同じように見えても実際には手作りで1点1点違いますから。
日本の工芸界には、「エディション」「マルチプル」の概念はないと思いますが、それは工芸的ものづくりが、ゆらぎのある人の手によるところが大きいからでしょう。

難しいですね。
by first-nakatomi | 2013-06-28 17:07 | thinking

「ユニーク」と「エディション」

雑誌でアートの特集が組まれていて、知ったのですが、
アート作品には2つの分類が有るようです。

「ユニーク」世界で1つしかない作品
「エディション」複製作品がある作品(版画、リトグラフ、写真など)

漠然と違いを理解していましたが、
改めて分類するための言葉があることを知り、目から鱗でした。
竹の作品も、「ユニーク」と「エディション」で分けて制作すると
意識がクリアーになりますね。

アート業界では常識なのかもしれませんが、私にはハッとした文でした。

「ユニーク」の作品だと購入した作品が、量産されていたりすることが購入者にとって一番よくないことですので、作る側も気をつける必要があります。

「エディション」の作品もロット番号をつけて、「1/10」などはじめから数を限定することで、購入者も作品を安心して購入できますね。
限定しなくても、同じ作品(シリーズ)の何番目の作品かをわかるようにすることは、購入者に対する礼儀のように思えます。

いままで、数点同じ作品を制作したことがありましたので、反省。
by first-nakatomi | 2013-06-22 10:05 | thinking

酒井田柿右衛門先生逝去

第14代酒井田柿右衛門先生が亡くなられました。
2度お会いしたことありますが、
本当に誰にでも分け隔てなく接して下さる方でした。
人間国宝でも全然偉そうなそぶりがないのはすごいなと思いました。
全くの無名の若造にも、「工房にいつでも遊びにきなさい」と仰って下さって、
とてもうれしかったのを覚えています。

「きれいなものと、美しいものは違う」
口癖のようによく言われた言葉ですが、深い言葉です。
きれいに作ることは時間をかければ可能だけれど,美しいものはまた違う次元で存在します。
不純物やノイズがあったりしても、美しいものは美しい。
追求すると、一生求め続けるテーマになります。

名家を継ぐ重圧の中での人生だったと思いますが、
ご冥福をお祈りします。
by first-nakatomi | 2013-06-16 23:14 | thinking