台湾訪問記 その4(民芸)

台湾訪問記の4回目は、民芸について。
まさか日本の民芸を、台湾で見るとは驚きです。

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左からウィリアムモリス、柳宗悦、顔水龍と並んでいます。

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顔水龍は台湾の手仕事を再評価して、復興させた方。

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柳以外にも、芹沢銈介、河井寛次郎、浜田庄司、棟方志功まで。

民芸が好きな方は必見の展示室です。
もちろん台湾の昔の手仕事もいろいろ見ることができます。
# by first-nakatomi | 2010-02-03 22:44 | information

台湾訪問記 その3(産地訪問)

今回は台湾の竹の工房訪問のレポートです。
台湾工芸研究所の先生の案内で、竹産業の産地である南投県竹山鎮を回りました。
内陸の山中にある地域で、たくさんの竹に関する職業の方達の工房がありました。

面白いと思ったのは、『台湾工藝之家』という国の認定制度があり、ある一定のクオリティーを保っている工房にはこの看板が掲げられていて、観光の指標となっていました。
今回お伺いした何カ所かにはこの看板が掲げられており,工芸家がギャラリーを併設していました。

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ここは竹を燻製にする「悦山工房」。
釜の中に竹を入れて、10日以上燃やした木の煙でいぶします。
煤竹のような味わいのある竹が出来上がります。
防カビや防虫の効果もあります。

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この椅子は燻製竹でできています。
なかなか良い味わいです。
制作者はこの方。(すみませんお名前を忘れてしまいました。)
8畳ぐらいの工房で、わずかな道具を使って竹の家具を制作しています。
実演をしてもらいましたが,ほとんど神業です。
すくない道具と、自分の技術でものを作るということは、原始的かもしれないけれども、それがかえって、人間らしさのあふれたモノを生み出せると思います。
竹工芸のよさって、そういうところにあるんでしょうね。

昔は生活の中に竹の家具(箪笥、椅子、テーブル、ベッドなど)がたくさんあったそうですが,最近は古いものと見なされてあまり使われなくなっているそうです。
竹の家具は、年月が経つとつなぎ目が緩んできてギシギシ音が鳴るのが若い人に敬遠されるみたいです。
音や揺れは、かえって生活に風情がでると思うけどなあ。
帰りにこの椅子を1脚購入しました。

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この方は竹工芸家の葉寳蓮さん。
今回拝見した中では一番独創性あふれた、すばらしい作品を作られる作家の方です。
作品の写真をうまく撮れなくて、アップできないのが残念です。
今後どういう作品を作られるのか、注目しています。

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これは葉基祥さんの茶合。
1台湾ドル=約3円。
味のある作品がたくさんありました。
『台湾工藝の家』に認定されている工房で、竹彫の茶道具をたくさん作られています。
竹山鎮に行かれる方は、葉さんの工房兼ギャラリーは要チェックです。
本当に工芸家らしい工芸家です。
おいしいお茶、ごちそうさまでした。

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最後は「大禾竹藝工房」の竹でできた iPhoneケース。
台湾では有名な竹の工房らしく、いろいろなところにショップがあります。
そのうち日本にも出店しそうなくらい、洗練されたデザインとアイデアあふれた商品を作っています。
中国の伝統的な茶道具や風水の道具から、現代的な家具やPC関連商品まで幅広く生産しています。
日本にはこういう竹の工房はないですね。

技術的には竹の積層材を使い、木工や指物の技術の高さに特徴があります。
ここも必見。
できれば竹山鎮にある本店が一番品揃えが豊富なのでおすすめです。

たくさんの工房を訪問して驚いたのは、みなさん代々の家の仕事ではないことです。
20年前に将来性を感じて始めたとか、材木を扱っていたのを竹材に転換したなど、竹を職業として成り立たせる気概もって、仕事を始められていました。
日本はどうなんだろうと考えさせられました。
手仕事として竹細工に憧れる若い人は多いけれど、仕事としての気概を持っている人がどれぐらいいるか心もとないです。
学ぶことが多い旅でした。
# by first-nakatomi | 2010-01-31 18:17 | information

台湾訪問記 その2(『Love Bamboo, Love Earth』展)

前回に引き続き台湾訪問の報告です。
もうずいぶん前のことのような気がしてきましたが頭を振り絞って,今回は国立台湾工芸研究所で開かれた『Love Bamboo, Love Earth』展について。

この展覧会は国立台湾工芸研究所主催ですが、実際の内容は台湾徳来設計事務所の代表である張さんが主導して取りまとめています。
過去と現代、日本と台湾の竹製品の展示を中心にしながら、環境と竹をつなげることを目指しています。
早速、写真を通して紹介しましょう。

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展示のスタート。
要するに竹は環境に良い素材ですよということをアピールしています。

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台湾には竹の加工技術が4つあります。
竹編・竹管・竹彫・積層竹。
編む技術は日本の方が優れていると思うけれども,丸竹を使った家具(竹管)や竹を彫る技術は台湾にとてもかないません。
そして、積層竹(スライスした竹を積み重ねて板状にしたもの)の製品はデザイン性が高く、これも日本よりも技術が進んでいるように見受けました。

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この写真だけ見ると、東京での展示会みたいです。
台湾は竹のデザイン向上に力を入れているようですが、うーん、お見事。

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このかごは底が丸くなっていて、船のようなゆりかごです。

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これが台湾特有の竹管の技術を使った竹の家具。
日本の真竹とほぼ同じ、桂竹という竹で作られています。
河井寛次郎が台湾から竹の家具の職人を京都に呼び寄せて、家具をデザインしています。
京都の河井寛次郎記念館で見学可。
とてもよいので日本にも輸出すればと思いましたが,気候が違うので乾燥しすぎて割れが入ってしまうそうです。

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中華文化圏らしい細工物。
アップでお見せできないのが残念です。

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もちろん日本の竹工芸のコーナーも。

展示の仕方も慣れていると思いました。
展覧会を開くための4階建ての建物が、工芸研究所内にあるんですから,当然ですよね。
台湾の田舎に研究所はあるのに、田舎臭さを感じない洗練された展覧会でした。
アメリカ・アイオワ州を訪問したときに感じたのとおなじ感覚です。
世界は感覚のボーダーレス化が進んできているのかもしれません。
文化の均一化は味気ないけど,洗練された感覚は共通化されるといいですね。

以上展覧会レポートでした。
次回は工房訪問レポートです。
# by first-nakatomi | 2010-01-27 23:00 | information

台湾訪問記 その1(国立台湾工芸研究開発センターについて)

12月の頭に国立台湾工芸研究開発センターの招きで台湾に行ってきました。
研究所の林先生始め研究所の生徒さん、徳来設計事務所の張さんに心さん、通訳の来さん、工芸家の皆さんその節は大変お世話になりました。
おかげ様でとても充実した時間を過ごすことができました。
遅ればせながら御礼申し上げます。

今回の訪問は、『LOVE EARTH, LOVE BAMBOO』という展覧会にあわせて行われる「日本の竹文化と芸術」という題の講演会、シンポジウム、研究所の生徒さんの新作発表会の審査、台湾の竹工芸家の方との交流が目的でした。
盛りだくさんの台湾訪問でしたので,何回かに分けてその報告をしてゆきたいと思います。

その一回目は国立台湾工芸研究開発センター(去年までの名称は国立台湾工芸研究所)について。

国立台湾工芸研究開発センターは、台湾中部の台中から内陸に1時間ほど入った南投県にあり,その前身は台湾省手工業研究所でしたが、1999年に組織改編され大幅にパワーアップして、台湾工芸の振興に尽力されている組織です。
日本では各県ごとに工芸研究所や試験所があるのですが,台湾は国を挙げてのバックアップ体制がとられています。
竹工芸のみならず,陶芸、漆芸、金工、染織と多岐にわたる工芸分野を研究対象にしています。
それぞれの専門分野の研究者がいるだけでなく、同じ建物の中に工芸家のstudioが併設されており,一般の方の体験もできるようになっています。
また、展示ブースも本部(台湾中部の南投県)にあるだけでなく、台北にもあり、かなり充実した体制をとっていました。
日本と比べてコンパクトに組織が集約されていて,機動性があり、出版事業も手掛けるなど,うらやましいかぎりです。


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この建物は工芸家のsutudioや常設の展示スペース,子供のための教育スペースがありました。
日本の民芸の展示もありました。
柳宗悦は戦前の台湾にも来ていたんですね。
民芸ブースについては後日紹介します。

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この建物は今回の展覧会が行われたところです。
台湾の有名な芸術家・楊英風(1926〜1997)の建築設計。
楊さんは東京芸術大学で朝倉文夫(大分県出身)に師事され、その後イタリアに留学されています。
1階がミュージアムショップ。
2階から4階が展示スペース。
このような建物が何棟もあり、また来客用の宿泊施設まであります。
台湾中部大地震の際は大きな被害を受けたようで,地震後何棟か立て直されたものもあるようです。
現在工事中の建物も2棟ありました。
国から台湾工芸界への手厚い支援には頭が下がります。

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これは研究所内の庭。
毎朝散歩をしていましたが,広々としていて,とても気持ちのよいところです。
おじいさんが太極拳の練習をしていて、中華文化圏の国を実感しました。
守衛さんも24時間態勢で常駐していましたので,治安は全く心配なかったです。

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研究所は高台に建っており、高台から市街を見渡した写真です。


次回は展覧会の模様をレポートします。
# by first-nakatomi | 2010-01-13 00:04 | information

雪国?

寒いはずです。
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# by first-nakatomi | 2010-01-12 22:29 | daily life

2010年の予定

2010年の予定は
・4月 「ミラノサローネ」でボッテガベネタと一緒に展示会
・5月 ロンドンのアートフェアー「COLLECT」に出品

反応を見て、今後の指針にしたいと思います。


イギリスのセインズベリー日本文化研究所も今年、日本竹工芸の研究予算を持っているので何かしら動きがあるかもしれません。

また、昨年末にドイツのハンブルグで「籠師」展がありました。
ドイツの美術館にも古い日本の竹工芸作品が数多く収蔵されているらしく、日本でもあまり開かれないような、かなりマニアックな展覧会がドイツでありました。
明治期の国際博覧会が華やかな頃の日本の籠が数多く展示されていたようです。

注、「籠師」・・・幕末から戦前にかけて関西地方を中心に活躍した高級花籠を作る人達のこと
# by first-nakatomi | 2010-01-11 23:43 | information

A Happy New Year

あけましておめでとうございます。
今年も無事に、新しい年を迎えられたことを感謝しています。
いつも年が越せるかわからない、ぎりぎりの生活をしていますが,竹細工を初めて間もなく10年になろうとしています。
落語の世界のような生活をしているなあと思います。
時代錯誤な竹細工の仕事でもなんとか生きていけるもんなんですね。

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今年の目標は、
・Prismシリーズの複雑化と巨大化の作品を作ること。
・小さいけれど存在感のある籠のシリーズを制作すること。
・毎年挫折しているけど,英語力をアップさせること。

Prismシリーズの複雑化させたものは現在製作中です。
1月22日にギャラリーの方がいらっしゃるのでそれにあわせて完成させます。
完成次第アップします。

小さな籠シリーズの手がかりはすでに得ているので,もう少し詰めれば良いものが出来上がると思います。
依頼を受けた仕事からヒントを得ました。

英語力は日々の努力ですね。
がんばろ。

年末除夜の鐘を撞きにきてくれた皆さん、大雪の中ありがとうございました。
これからもこの寺にいますので、煩悩を一緒に払ってゆきましょう。
# by first-nakatomi | 2010-01-03 23:01 | daily life