竹の節

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真竹の節のアップです。

節は二つに分かれていて、その中心部で繊維が複雑に変化しています。
節は同じ竹、さらには同じ節でも様々な表情があります。
高い、低い、狭い、広い、節の下のしみの具合。

さて、お箸を作る場合、この節のどの位置でカットするのかということが問題になってきます。
多くの作り手は節の中心でカットしています。
これは、何膳かを入れ替えても違和感がないようにという理由が大きいと思います。
家族が多いところは、洗う際に一緒に洗いますからね。

あとは、節の下の部分を入れると、効率が悪くなるということもあります。
大体,節の下はきれいなものが少ないですから,お箸として使えるものを選別していると、ほとんど捨てなくてはいけないのです。
繊維が入り組んでいるので,面取りの際に仕事がしにくいということもあります。

お箸を作ると、ひごを取るときよりも竹の細部を観察するので,竹ってこんなにも複雑な表情があるのだと感心します。
意外と真っ直ぐではないんですよね。
大体曲がっています。

お箸作りは、竹選びが大切です。
# by first-nakatomi | 2010-02-21 23:05 | open process

お箸の研究

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知り合いの方から、いろいろなお箸をお借りしました。
左から、
渡辺竹清先生の煤竹拭き漆箸
此君亭工房の青竹箸
野々下さんの青竹箸(短/長)
中臣の白竹箸・拭き漆箸・白竹菜箸

作る人によってかなり雰囲気が変わるんですね。
その方の性格がよく出ていると思います。
竹の作品は収集できないけど、お箸ならコレクションできますね。
ちょっと意識して集めようかな。

ちなみに箸の長さの計算式は、『足の長さー2㎝=使いやすい箸の長さ』
という話を聞きました。
なぜ足の長さが関係するのか、不思議ですが。

そうすると、日本人の足の長さの平均から
女性は21㎝〜23㎝、
男性は23㎝〜25㎝
がお箸として使いやすいんですね。
ジャイアント馬場は32㎝。


ーーー結論ーーー
お箸は人により、使いやすさが異なる。
でも基本のサイズは以下の通りです。

長さ 22,5cm
幅  手元・中央・先/8・5・2mm
厚み 手元・中央・先/8・5・2mm
# by first-nakatomi | 2010-02-20 23:06 | open process

アクセサリー

去年秋から頼まれていた竹のアクセサリー(バングル)を製作中。
大変お待たせしております。
竹のアクセサリーは、軽いし肌触りもいいので、とても可能性はある分野ですね。
でも、自分があまり身につけないものだから、イメージがなかなか湧かなくて悪戦苦闘しています。

一部に銀を使おうかと思い、別府にある手作りのアクセサリーのお店「st.sense」に相談に行きました。
結局、銀は酸化が激しいので取りやめて、竹だけで作ることに決定。
Tさん、アドバイスありがとうございました。
ここの店主はユニークな方で、作られるものも斬新で、想像力に満ちあふれています。
地方都市にいることを忘れさせてくれますね。
お近くをお通りの際は、のぞいて見てください。
別府市石垣アテオの近くにあります。

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全体像の写真でなくてすみません。
# by first-nakatomi | 2010-02-17 22:32 | thinking

プロフェッショナル

NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を視聴。
たまに見ますが,今回いろいろ考えさせられました。

生命科学者 上田泰己34歳。
同年代でこれだけの仕事をしているをされている方がいるのに驚愕。

上田さんのプロフェッショナルの定義
「形のないものに、形を与えられる人」
上田さんの場合は、生命の新しい知見を発見するということですが,すべてのプロフェッショナルな人に当てはまることだと思いました。
なんだか分からないもやもやとしたものに、形を与えるということ。
予想のつく仕事ではなく、未知のものに挑戦している姿勢に刺激を受けます。

竹の仕事も、作る前にはもやもやとして予想がつかないけれども,試行錯誤して考え抜いてものが完成したときほど喜びの大きいことはありません。
そういう仕事にひかれます。

キャリアを何年か積み重ねてゆくと、どうしてもしても失敗を恐れてしまって守りに入りがちです。
挑戦する気持ちを忘れないでゆきたいですね。

全く違う分野の人と話をすることで(テレビを見ていても感じますが)、自分の置かれている状況が照射されて、自分は何を求めているのだろう、どういう世界を望んでいるのだろうと考えます。
どうして風呂を薪で焚くのか。
どうして田舎に住んでいるのか。
どうして竹細工を仕事にしているのか。
どうして幾何学的な作品を作るのか。
ひとつひとつの小さな疑問を考えることで未来が開けるのでしょうね。

基本的に直感でここまで来た気がするので、振り返って考えることも必要なのかなと、まあTVを見ていて思いました。
# by first-nakatomi | 2010-02-16 23:58 | thinking

基礎研究

新しい作品を作るためには地道な基礎研究が欠かせません。
失敗も多いのですが,その失敗の中から発見があり,次に繋がります。

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最新の基礎研究はこんな感じです。
化学の教科書に出てきそうですね。

なぜプロセスを公開するのか。
途中の段階を公開しても人によって発展のさせ方は違います。
自分が考えている作品とは全く違う発展のさせ方もあると思うので,そうした作品が出てくれば刺激にもなりますから。

最近読んだ本『海馬』(池谷裕二と糸井重里の脳科学を巡る対談集)で話されていた、現在の科学研究のあり方、「閉鎖系から開放系へ」「結果重視からプロセス重視へ」といった流れは、アートの世界にも共通すると思います。

開放系の例としては、OSのリナックスやwikipediaですね。
それらは広く公開され、様々な人がどんどん良いものに作り替えてゆきます。
そこではオリジナルを問うことが、あまり意味を持たなくなってきています。

竹も、編みは世界に共通した技術ですし、先人が新しい技術を作り出して現在の竹工芸があるのですから、技術は公開してどんどん良いものにしてゆければいいですね。
# by first-nakatomi | 2010-02-13 23:51 | open process

お箸作り

ただ今お箸を制作しています。
普段、抽象的なものを作っているので、人の生活に役に立つものを作ることは原点に戻る気がします。
お箸は「用の美」の王道ですからね。
少しの厚みや幅で、使いやすさが変わってくるので何回作っても難しいです。
それは人の手ごとに違いますし、奥が深い道具です。
日本のお箸は、繊細です。

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一番右は拭き漆を3回塗った完成品。
他は真竹の表皮を磨いた、漆を塗る前の状態のお箸。
竹の表皮は硬いエナメル質でコーティングされていて、漆がのらないので磨き(刃物で表皮を削り取ること)ます。
昨日までに2回塗りましたが,最後の塗りは天気のよい日に仕上げたいので保留中です。
明るい日差しのもとで仕上げたほうが、細部まで目が届きますからね。

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ラッピングは和紙を何回か折り、袋に入れます。
落款ももちろん押します。
お箸は日本人にとって神聖なものなので,きれいに包んであげたいですね。

長い間お待たせしました,間もなく完成いたします。
# by first-nakatomi | 2010-02-11 22:47 | open process

竹の天日干し

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別府の永井製竹で、8寸の真竹を2束を購入。
竹業界では尺貫法が、まだまだ現役でがんばっています。

ほぼ白竹ですが、青みが残っている部分や、シミが抜けきらないところがあるので、工房の縁側で干しています。
油抜き後、天日で干して間もない頃に雨が降ったりすると、シミが残りやすいですね。
根元の肉厚部分や、粘りのある竹もシミになりやすいです。

竹は秋に伐採し、油抜きや天日でしばらく干して、白竹が出来上がるのが大体年明けです。
秋に伐採するのは、子育て(筍)を終え、竹から水分や養分が抜けてちょうどいい具合になっているからです。
カビや虫が来にくいんですね。
梅雨時に竹をきると、切り口に蟻が集まるぐらい竹には養分があるのです。

自然の摂理にあわせて竹の仕事も動いています。
# by first-nakatomi | 2010-02-10 08:57 | open process