竹工芸科終了作品展、即売会

大分県竹工芸・訓練支援センターの竹工芸科の生徒さんの発表会、即売会があります。

場所 トキハわさだタウン 1階 中央通り
期日 2月27・28日
時間 課題作品即売 27日 10時〜 
          28日 10時〜
   修了作品即売 27日 11時〜 (希望者多数の場合は抽選)

かなり格安で竹かごが購入できるのでお勧め。
プロからするとこんなに安くていいのかなと思いますが,私もたまに購入しています。
手抜きをしないで丁寧に作られています。

終了作品は1ヶ月以上かけて作られているのに、2万円ぐらいで販売されています。
生徒が自分で購入することが多いので、良いものは購入しにくいと思います。
# by first-nakatomi | 2010-02-24 23:57 | information

第46回くらしの中の竹工芸展レポート

最後まで書いたのに消えてしまったので、もう一度気力を振り絞ってレポートします。

第46回くらしの中の竹工芸展
〜3月7日(3月1日は休館) 8時半〜17時
場所 別府市竹細工伝統産業会館

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審査委員長の生野徳三先生の講評を聞いているところです。
写真が暗いので、秘密結社の集会のようですが、会場は明るく熱気に溢れていました。

近年、受賞作のレベルが上がっているように感じます。
一時期は「受賞該当作なし」の賞が、いくつもあったのが嘘みたいです。
新しい傾向の作品や、若い出品者も増えて来て、未来は明るいですね。


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大賞 佐藤尚康さんの「踊華」
ゆっくり時間をかけて作られた大作です。
フォルムの緩やかなラインが、エロスを感じさせますね。
仕上げも、いい艶が出ていました。
一日に2㎝しか進まなかったようですが、手間ひまを惜しまず編まれたことがにじみ出ています。
久しぶりに、私も精巧な花籠が作りたくなりました。
ご本人は頑丈な体格の人なのに,繊細で技巧的な作品を作られるのがおもしろいです。
作品の詳細は、佐藤さんのブログでも紹介されています。
http://blog.bamboo-plus.com/


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入賞 杉浦功悦さんの「Sailing the ocean」
新しい組み方の作品。
こういう一見簡単なような作品が、本当は作るのが難しいです。
ひごの長さはすべて違っていますし,縁をよく見ると、苦心の跡がわかります。
縁の内部は、穴をあけたひごに一本づつ糸を通して固定しているそうです。
新しい作品を作るときは、新しい技術を生み出す必要が出てきます。
さわやかな作品でした。


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入賞 森友恵さんの「hikari」
柔らかいフォルムの照明。
以前ブログで制作過程を紹介しましたが,こうなったんですね。
台とのバランスも取れていて、完成度が高くまとまっていました。
竹板の使い方は、いろいろ発展させられそうなので,今後が楽しみです。
実物は上の写真よりもいいので、ぜひ会場でご覧ください。


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入賞 松田浩樹さんの「春の休日」
今回一番衝撃を受けた作品です。
キャリア2年目で、こういう前衛的なものを作る人が出てきたことに驚きました。
初めは基礎をしっかりと、という考えが強い産地で、こういう縁の処理をすることは非常に勇気のいることです。
作ることもそうですし,出品することもそう。
また、賞に選ぶ側もすごいなあと思いました。
時代が変わりつつあることを感じさせる作品です。
作品の完成度は、まだこれからだと思いますが,勇気に心から拍手を送りたいです。
私が作りたいものと傾向が少し似ている気がしたので,うかうかしていられないですね。


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入賞 森千里さんの「MOON RIVER」
竹の一閑張りの作品。
今までにない質感。
ゆったりした遊び心が感じられて、竹ばかりの中で映えていました。
壁面でも、天井でもいろいろ応用できる質感の技術です。
一閑張りは、なかなか発展のさせ方が難しいジャンルですが,がんばってほしいです。
和紙の白色が分かりにかったので,展示の照明は普通の色のほうがよかったかな。


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入賞(買い上げ) 本田治典さんの「宙」
自分の先生なので書きにくいんですが,緊張感のある作品でした。
膨らみが限界まで来ていますね。
いつもぎりぎりのところでものを作っているので,崩壊することもありますが,作品として成立したときはすごいものが生まれています。
地元に一点でも作品が残ることはよかったです。

以上展覧会レポートでした。
# by first-nakatomi | 2010-02-23 21:59 | information

竹の曲げる方法

今日は少し技術的ことについて。
竹の曲げる方法です。

ずい分前に書いたのに、閲覧数が多いので赤字で少し補足を加えます。
2016年6月19日


方法はいくつかあるのですが,大まかに分けると

1、手で曲げる
青竹細工などをする方は、大体膝や手で曲げ癖を付けながら曲げます。
山から伐採した竹をそのまま使うので、粘りがあって柔らかいんです。
緩やかな曲がりの縁や取手など。
180度に折り曲げるような籠は、やっぱり火でぐにゃぐにゃになるまで熱して折り曲げます。


2、熱で曲げる
アルコールランプ、業務用ドライヤー、ガスバーナーなど様々

この「曲げる」という技法が、なかなか奥が深いんです。
以前紹介した台湾の椅子は、バーナーで曲げていましたが、曲げる部分をノミで彫って薄くして曲げていました。
日本でも、たまにこの技法を使っているのを見かけます。

また、重箱のように2段以上重ねる籠になると、縁の部材を外縁・柾・内縁・内々縁と、順に曲げる角度を少しずつ急にしてゆきます。
そうしないと、籠がうまく重ねられないのです。
火で熱してすぐコテに当てて、曲げ角度を揃えるという方法もあります。
なかなか厄介な仕事です。

時間とともに縁が歪む場合もありますし、竹の仕事的には避けたい仕事。
茶道具の提籃が例です。


木の重箱はよく見ますが,竹籠の重箱をあまり見ないのは、縁の曲げ方が難しいからです。

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これは、プラスチックの水道管を利用した曲げ方。
竹を水につけておいて柔らかくし、管の中に入れてドライヤーで熱すると丸く曲がります。
DIYショップで安く、しかもいろいろなサイズがあるので便利です。

本職の人が、竹を丸く曲げるとき、「火曲げ軸」という鉄やステンレスでできた円筒状の道具をよく使います。
下から筒を熱し、竹ひごを筒にしばらく当てると丸くなる、という道具です。
ただ、熱するまでに時間がかかること、特注なので価格が高い(5万円〜)、円のサイズが少ないことがネックです。
私も持っていましたが,あまり使わないので友人に譲りました。
せっかちの人には向かない道具ですね。

いろいろ工夫して代用する方法もあるので,考えるのもまた楽しいです。

最近、特注で火曲げ治具を制作しました(3段で5万円)。
同じ円をたくさん作る時は、やっぱり便利です。
厚みや節がある部材を曲げる時は、火曲げ治具で曲げたほうが綺麗に曲がります。


茶杓で曲げる部分を櫂先(かいさき)といいますが、曲げ方の種類でいろいろ名前があります。
それだけ曲げ方もたくさんあるということで、昔の人はそれぞれに名称をつけて楽しんでいたというのは、曲げひとつでも奥の深い世界です

# by first-nakatomi | 2010-02-22 23:24 | open process

竹の節

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真竹の節のアップです。

節は二つに分かれていて、その中心部で繊維が複雑に変化しています。
節は同じ竹、さらには同じ節でも様々な表情があります。
高い、低い、狭い、広い、節の下のしみの具合。

さて、お箸を作る場合、この節のどの位置でカットするのかということが問題になってきます。
多くの作り手は節の中心でカットしています。
これは、何膳かを入れ替えても違和感がないようにという理由が大きいと思います。
家族が多いところは、洗う際に一緒に洗いますからね。

あとは、節の下の部分を入れると、効率が悪くなるということもあります。
大体,節の下はきれいなものが少ないですから,お箸として使えるものを選別していると、ほとんど捨てなくてはいけないのです。
繊維が入り組んでいるので,面取りの際に仕事がしにくいということもあります。

お箸を作ると、ひごを取るときよりも竹の細部を観察するので,竹ってこんなにも複雑な表情があるのだと感心します。
意外と真っ直ぐではないんですよね。
大体曲がっています。

お箸作りは、竹選びが大切です。
# by first-nakatomi | 2010-02-21 23:05 | open process

お箸の研究

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知り合いの方から、いろいろなお箸をお借りしました。
左から、
渡辺竹清先生の煤竹拭き漆箸
此君亭工房の青竹箸
野々下さんの青竹箸(短/長)
中臣の白竹箸・拭き漆箸・白竹菜箸

作る人によってかなり雰囲気が変わるんですね。
その方の性格がよく出ていると思います。
竹の作品は収集できないけど、お箸ならコレクションできますね。
ちょっと意識して集めようかな。

ちなみに箸の長さの計算式は、『足の長さー2㎝=使いやすい箸の長さ』
という話を聞きました。
なぜ足の長さが関係するのか、不思議ですが。

そうすると、日本人の足の長さの平均から
女性は21㎝〜23㎝、
男性は23㎝〜25㎝
がお箸として使いやすいんですね。
ジャイアント馬場は32㎝。


ーーー結論ーーー
お箸は人により、使いやすさが異なる。
でも基本のサイズは以下の通りです。

長さ 22,5cm
幅  手元・中央・先/8・5・2mm
厚み 手元・中央・先/8・5・2mm
# by first-nakatomi | 2010-02-20 23:06 | open process

アクセサリー

去年秋から頼まれていた竹のアクセサリー(バングル)を製作中。
大変お待たせしております。
竹のアクセサリーは、軽いし肌触りもいいので、とても可能性はある分野ですね。
でも、自分があまり身につけないものだから、イメージがなかなか湧かなくて悪戦苦闘しています。

一部に銀を使おうかと思い、別府にある手作りのアクセサリーのお店「st.sense」に相談に行きました。
結局、銀は酸化が激しいので取りやめて、竹だけで作ることに決定。
Tさん、アドバイスありがとうございました。
ここの店主はユニークな方で、作られるものも斬新で、想像力に満ちあふれています。
地方都市にいることを忘れさせてくれますね。
お近くをお通りの際は、のぞいて見てください。
別府市石垣アテオの近くにあります。

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全体像の写真でなくてすみません。
# by first-nakatomi | 2010-02-17 22:32 | thinking

プロフェッショナル

NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を視聴。
たまに見ますが,今回いろいろ考えさせられました。

生命科学者 上田泰己34歳。
同年代でこれだけの仕事をしているをされている方がいるのに驚愕。

上田さんのプロフェッショナルの定義
「形のないものに、形を与えられる人」
上田さんの場合は、生命の新しい知見を発見するということですが,すべてのプロフェッショナルな人に当てはまることだと思いました。
なんだか分からないもやもやとしたものに、形を与えるということ。
予想のつく仕事ではなく、未知のものに挑戦している姿勢に刺激を受けます。

竹の仕事も、作る前にはもやもやとして予想がつかないけれども,試行錯誤して考え抜いてものが完成したときほど喜びの大きいことはありません。
そういう仕事にひかれます。

キャリアを何年か積み重ねてゆくと、どうしてもしても失敗を恐れてしまって守りに入りがちです。
挑戦する気持ちを忘れないでゆきたいですね。

全く違う分野の人と話をすることで(テレビを見ていても感じますが)、自分の置かれている状況が照射されて、自分は何を求めているのだろう、どういう世界を望んでいるのだろうと考えます。
どうして風呂を薪で焚くのか。
どうして田舎に住んでいるのか。
どうして竹細工を仕事にしているのか。
どうして幾何学的な作品を作るのか。
ひとつひとつの小さな疑問を考えることで未来が開けるのでしょうね。

基本的に直感でここまで来た気がするので、振り返って考えることも必要なのかなと、まあTVを見ていて思いました。
# by first-nakatomi | 2010-02-16 23:58 | thinking