福岡県立 求菩提資料館 竹のかたち展

4月21日~5月31日まで
求菩提資料館(豊前市にある修験道専門の美術館)で
「竹のかたち展 大分県在住作家9人の会」が開催されます。

出品竹工芸作家は、
安倍 基楽
岐部 笙芳
生野 徳三
杉浦 功悦
中臣 一
本田 聖流
森上 仁
山口 龍雲
米澤 二郎

私の出品作は 「Prism, triangle」 2点
今までの作り方から少し改良したものです。
△のパーツを2個組み合わせて、一つのパーツとし、それをつないだものです。


今回の図録に載せるコメント
「私は少しでも竹工芸の地平を広げたいと考えて制作しています。
今回の出品作品のコンセプトは、「無限の拡張性」。
同型の部材を組むことで形を構成しており、いくらでも大きくすることが出来ます。
今回は△を使用していますが、形の基本原理である「○・△・□」の3パターンがあります。
このPrismシリーズは、私にとっての「形の基礎研究」であるとともに、「美的感覚の向上」のために必要なものであると考えています。」 

もしお近くに寄られる方はご覧になってください。
# by first-nakatomi | 2009-04-03 21:17 | information

鳥の巣箱について

近ごろ野鳥がたくさん来るようになりました。
季節のせいか、家の周りを整備したからか分かりませんが。
工房の窓ガラスにぶつかって死んだ鳥も3羽。
こちらは窓ガラスをきれいに磨きすぎたため。
世界で,窓ガラスにぶつかって死んでしまう野鳥の数は、数万に上ると最近の新聞に出ていました。
鳥はガラスを認識できないみたいです。
特に高層ビルは渡り鳥の飛行ルートにあった場合、ぶつかってぼとぼと落ちてくるようです。

罪滅ぼしではないですが、鳥の巣箱を設置しようとおもいます。
で、巣箱について考えました。
考えてみると、巣箱といっても、その鳥の生態を知らないと設置できませんね。
どの鳥のために作るかで、設置する木の種類、巣箱の材質、高さ、日当たりなどの場所、巣箱の大きさ、穴の大きさ、子育てをするのかなど、違ってくるでしょうね。

モノを作るときと同じである事を発見。
漠然と形を考えてモノを作るということはできません。
用途、顧客、価格、色、形、作る前に調査することはたくさんあります。
たとえば「バッグ」でも、歴史、国や個人の生活スタイルによって千差万別。
何を入れるときに使うのかで大きく異なります。
ちなみに「竹の花籠」は日本独自の文化です。
他の国では花摘み籠はあるけれども、おとし(筒)をいれて花を生ける事はしません。

ま、とりあえず巣箱を作ってみます。
使ってくれなければ改良するのみです。
そのうち「鳥の家」とか言われたりして。
からすが寄って来ないように少し小さめの巣箱にしよう。
# by first-nakatomi | 2009-01-28 22:24 | thinking

冬の生活

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寒い。・・・とにかく寒い。 毎朝氷点下。 そして雪。 工房は隙間風。
どうしたら暖かく仕事ができるのか考えました。
石油ストーブ。ホットカーペット。首にマフラー。カイロ。
発見。首と下半身を暖めると、案外寒さに耐えられるんですね。
家に転がっていたホットカーペットを捨てなくてよかったです。

一番いいのは、朝体を動かしてから仕事を始めることですね。
朝一番で編む仕事をするのは最悪です。
まず、庭掃除、薪割、そして竹磨きと。
まあ、そんなにうまくはいきませんけど。

昔は道路の脇に雪が腰まであったそうです。
温暖化なんでしょうかね。
隣のおじいさんとおばあさんは、はだしで外に出ていました。
昔の人はすごいですね。
# by first-nakatomi | 2009-01-27 22:33 | daily life

古いけど新居

a0103666_2339142.jpg八月頭に大分県由布市庄内町に引っ越すことになりました。

今の家は便利で住みやすかったのですが、段々手狭になってきました。
竹工芸という仕事柄、どうしても材料を置く広いスペースが必要になってきます。で、古いお寺を借りることにしました。

とにかく広い、そして安い。

本当に田舎なので、慣れるまで寂しいだろうけど、今のように車の騒音で目が覚めるより、鳥のさえずりで目が覚めるほうが自然ですね。

上人西町のみなさん、これまで本当にお世話になりました、そして、庄内町の皆さんこれからよろしくお願いします。


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# by first-nakatomi | 2008-07-30 23:50 | daily life

気分の乗らないとき

仕事をしていてどうしても気分の乗らない時というのはあります。

仕事を止めて旅行に行く。
温泉巡りをする。
山菜を取りに行く。

好きなことができればいいけれども、できないときのほうが多いですよね。
仕事が積もり積もって、締め切りに追われているんですから。

そういう時は、掃除。
これに勝るものはないですね。
部屋中掃除機をかけ、雑巾がけをする。
窓を拭く。
ついでに家の周りのごみを拾う。
ほんの2時間もあればできます。

これだけで、身も心もすっきりした気分になれるのだから、なんて安上がりなんだろう。
イエローハットの鍵山先生のようにはできないですが、ほんの少しの掃除で気分爽快。
急に周りの気の流れがよくなったように感じます。
頭の中まできれいになった気分で、「さあ仕事でもしようかな」という気分にさせられます。
本当ですよ、だまされたと思ってやってみてください。

頭と体は連動しているので、体を動かすとことで頭も刺激を受けるのでしょうね。


今日、ラジオ深夜便でスポーツのメンタルトレーニングの先生が似たようなことを話していました。
「心の状態」と「体のしぐさ」の関係についてでしたが、要約するとこういうことでした。

「人間は普通、気分がいいときには鼻歌交じりで背筋を伸ばして上を向いて歩き、気持ちが塞いでいる時にはうつむきがちになる。
また、リラックスしているときには体の重心が重くなり(寝ている人の体が重いように)、肩の力が抜けて呼吸が深くなり、手足が暖かい。逆に、緊張しているときは体が軽くなり、呼吸が浅く、手足が冷えてくる。
つまり心と体は連動しているので、この関係を逆手にとって利用することも可能です。
たとえば、試験の前で緊張してどうしようもないとき、手足を温め、意識して息のはく時間を長くし、ストレッチをする。そうして、姿勢を伸ばして、上を向いて歩けば、合格間違いなし。
もちろん普段の勉強はしておかなければならないのは言うまでもありませんが。」

掃除の話から遠くなってきているようですが、似ていますよね。
掃除はストレッチなようなものなので、体が温まります。
さらに、部屋まできれいになるんですから一石三鳥です。

人間の頭が如何に単純かが分かりますね。
要は「好きな人とつり橋を渡れ」ということです。
# by first-nakatomi | 2008-07-28 21:47 | daily life

個展について

個展(gallery K)を無事終えることができました。
来ていただいた皆さん本当にありがとうございました。

BAICAの展覧会や、「県内在住作家11人展」などもあり、大丈夫なのかなあという感じでしたが、なんとかかたちになってよかったです。

個展を開くのは、いろいろな目的があると思いますが、今回は新しい試みに挑戦することが目的でした。
「三角形で、形を構成する。」
このコンセプトだけで作品を作ったのですが、集中的に作り、galleryの空間に展示してみてまた新たな発見もありました。
光と影のコントラストや、見る角度によって表情が大きく変わる点など。
取るに足らない小さな発見なのですが、今後の展開に大きく寄与してくれると思います。
多分、何年か後になって、この個展が自分の作品展開における重要な点であったことを実感できるのではないか思います。

「なぜ三角形なのか?」
ということは、よく問われました。
以前ブログでも書いたように、何かを作るときに、自分では理解できていないことが多いのです。
「こういう動機で、こういうことを表現したくて、こういうものを作ったのだ。」
ということは自分に関しては、ほとんど理解していません。
特に制作する前は。
ただ漠然と作っているわけでもないのですが、一つの手がかりを基に(今回は三角形ということだけです。)、手探りで答えを探すような感覚という感じです。
答えが見つかったからといって、世間に大きな影響を与えるとか、人の役に立つとかということは全くないのですが、自分のものの見方が変化することは確かです。
周りは何も変わっていないけれども、自分の見える世界は大きく変わるということかな。
子供みたいですが、小さな発見を繰り返すことが、自分に大きな変化をもたらすということはなんとなく感じています。

いつか三角形の作品で世界を巡ることができればいいと思っています。
もともと、竹工芸を勉強するようになってから川島茂男さんの竹の巨大な作品には、強く惹かれていました。
縁の遠い世界だと思っていましたが、BAICAで竹の仮設構造物を研究することで、基本の構造を考えれば、竹で大きなものを作ることも不可能ではないのだと感じるようになりました。
逆に、適しているのではないかと思うようになりました。
「ひごにして編む」、ということから解放されたことが、自分にとっての大きな転換点でした。
三角形というのは構造的にも安定した形なので、最初に取り組んだのは正解だったと思います。
四角形や五角形でも、制作は可能ですが、最終的にはやっぱり三角形に戻るような気がします。

今回、ある人から「一番最初に作った作品・漣橋にも三角形が、編みこまれていますね。」といわれて、そう言われてみればそうだなと、気づきました。
三角形には縁があるのかもしれないなと。
これから三角形に注意して、周りを見てゆこうと思います。
三角関係には気をつけようと思いますが。

世の中、三角形を意識して見ていると、いろんな発見があるでしょうね。
「あの人の顔は三角形だ。」
「こんなところも三角が。」
なんて、キュビスムのように世界を見てしまうかもしれません。
Oさんに言われた様に、そのうち「三角の人だ。」と言われるようになるかもしれません。

最後になりましたが、gallary K さん、本当にお世話になりました。
いろんな人が来て応対に大変だったと思いますが、いい個展になって感謝しています。
とてもいいgalleryでした。
また、新しいことに挑戦したくなったら、個展させてください。
あんまり売れないと思いますが・・・。
# by first-nakatomi | 2007-11-30 21:21 | thinking

PRISMシリーズについて

・コンセプト

「編まない」
「ひとつの完結したパーツを使用する」

竹籠と言うと、どうしても有機的な曲線の編み(またはフォルム)になってしまいますが、根本的に「編まない」という観点で制作しています。
「編む」という行為そのものが、曲線を内包することなので、そこから一度離れてみようと考えました。
竹編みの持つ有機的な曲線が嫌いなわけではないのですが、安易に流れてしまうことが多くなってきたので。
フォルムに気をとられすぎてきていましたので。

ただ、竹の素材の持つ有機性が、今回の直線の構成にも自然ににじみ出ているので、そこは面白いかなと思っています。
竹の持つ特性、「直線的な繊維だけれども適度なゆらぎを持つ。」ということが、こういった作品を可能にしています。
火で曲げることが出来ることも、重要な構成要素です。

もうひとつの、「ひとつの完結したパーツを使用する」ということは、よりフレキシブルな制作をしたいという思いから考えました。
伝統工芸のような作品を作っていると、なかなか崩したりしにくくて、遊びの要素が少なくなり窒息しそうになりました。
そこで、大きさ(この方式だと巨大なものも制作可能)、形(逆に同じモノのほうが作りにくいです)をより自由にすることのできる方式(システム)が必要だと考えていると、この「ひとつの完結したパーツを使用する」という方法に至りました。

本当にいくらでも自己増殖してゆけますので、作っていてもまあ楽しいです。
でも、思っていた以上に、美しい形というものにならないのには驚きました。
どんどん組んで繋げていけば、形になるのだろうと思っていたのですが、そうは問屋が卸さなかったです。

これをどう発展させていくのか、まだ少し時間がかかりそうな気がしますが、以前このブログで書いたように、頭を整理して考えたいと思います。


・契機

そもそも、このシリーズを考えるきっかけになったのが、BAICAでの竹の構造体を研究し始めてからです。
竹の素材の特性を生かした、仮設構造物を製作しようという意図で始めたわけですが、
取り掛かりとして勉強した、アメリカの奇才・バックミンスターフラーの考え方は非常に参考になりました。
私の師である本田聖流の、パーツに分けるという制作コンセプトも、参考になりました。
ジョイント部分は、BAICAでともに活動している大橋さんの、インシュロックの使い方は、仮止めで形を組み立てるときに大きな威力を発揮しています。

作り始めるときはなんだかわけがわからず、いろいろ試行錯誤をしています。
あらかじめ完成形がイメージされて作り出すことは、私に限って言えば、まずないです。
作るうちに、「ああでもないこうでもない」としていくうちにできてしまった、ということが多いです。
最初から設計図があって、それにあわせて作るというのはプラモデルのようで、面白くないと感じてしまいます。
そういう作り方をする人がよくないといっているわけではなくて、私はできないと言った方が正しいです。
作る過程の揺らぎを見極めて、作品に仕上げていくのが自分のスタイルなのだとごく最近きずきました。

そうして、ひとつの作品が完成して、「ああ自分はこういうものが作りたかったのか。」
「こういう影響を受けて作ってきたんだなあ。」と、だいぶん後になって理解することができます。
これが自分にとって、作品を作るという道の、ひとつの階段を上るようなものです。
# by first-nakatomi | 2007-09-27 21:49 | open process