bowl

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最近完成した「bowl」。
直径15×高さ9㎝。
今年の「くらしの中の竹工芸展」に出品します。

昨年ナンタケットバスケットを竹で制作しましたが、取手があるとどうしても「用」が前面に出てきてしまうので,抽象性を高めるためになくしました。
「素朴と洗練」「装飾と機能」の融合を目指しています。

改善点は、大きさをもう一回り小さくすることと、胴編みのひごの合わせ部分にもっと注意を払うべきですね。
実物を見ていただければ「ああそうだね」とわかると思います。
また、時間をおいて挑戦します。

「くらしの中の竹工芸展」は2月23日〜3月7日、別府市竹細工伝統産業会館で開催しています。
# by first-nakatomi | 2010-02-09 23:37 | open process

卓越技能者記録保存事業

卓越技能者記録保存事業は、私も参加する若手竹職人の集り「巧匠竹学会」の活動で、年配の竹工芸の先生方の仕事を映像記録として後世に残そうと、九州電力さんの支援を受けて行っています。

・竹の世界に入られたきっかけ
・過去の仕事について
・道具について
・若い竹職人への提言

などの質問をしながら先生方の仕事を記録しています。
尚,記録した映像は、大分県竹工芸訓練支援センター、別府市竹細工伝統産業会館、大分県立芸術会館に寄贈する予定です。

先月は2代渡邊勝竹斎先生の工房にお伺いしました。
昭和2年生まれの先生は、80歳を超えられても週5日、元気に仕事をされています。

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先生の面取り包丁(竹ひごをとるときに使う道具)。
銑刃(厚みをとる刃物)がすり減ったものを加工してこの道具を作るそうです。
気の遠くなる仕事量をこなさないとできないですね。

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こちらは幅取りの台(松製)。
それぞれ幅が決まっていて、求めるひご幅に合わせて刃物を打ち込み、使います。

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編みを干しているところ。
天日で干すと、染色したときに色の染まりがよく、また落ちにくいそうです。
ここまで心を配ってものを作っている方は、あまりいないと思います。

著作権上,先生の作品は載せませんが、ため息の連続でした。
70年間も竹の仕事をされている人の、凄みを感じます。
最近は締め切りのない仕事をゆっくりされているとおっしゃっていましたが,少しでも長生きして作品を作られることを願っています。
# by first-nakatomi | 2010-02-06 23:36 | open process

現代の侘び寂び

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別府の町中を散歩していて出会った建物。
その圧倒的な存在感に、つい見とれてしまいました。
これは作ろうと思っても、なかなか真似できないですね。
左側の建物は元病院。
廃業した病院の建物はどこか不気味さを醸し出すんですが,この建物はそこを突き抜けて明るささえ感じました。

初めからこのような姿を目指していた訳ではもちろんなく、「居住者のライフスタイル」と「時間の経過」が相まってこうなったんでしょうね。
これこそまさに侘び寂びの世界。
こういう建物で茶を点てる人が出てくるようになると、茶道界も面白くなるのかも。
# by first-nakatomi | 2010-02-06 21:06 | thinking

プロセスの美しさ

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今日、竹工芸支援センターで見つけた一風景。
竹を板状に展開して、火曲げ軸でまげた部材。
ストーブで塗装を乾かしているだけなんですが,部材のランダムさと光のあたり具合が美しかったです。
オブジェとしても、いろいろな展開ができそう。

祥雲斎も展開の部材で、おしぼり入れや菓子器などをたくさん制作しています。
当時は日田に板状の部材を製造販売している会社がありました。
今は自分で部材を一から作らないといけないので、なかなか大変ですね。
ただ、この技法は可能性があると思います。

作り方は
1、竹の表皮をはつる(柔らかい内側だけを使います)
2、お湯で柔らかくして形を作る

原始的なんですが,きれいに、割れずに作るのは難しいと思います。
どういうものが出来上がるのか楽しみです。
# by first-nakatomi | 2010-02-05 23:00 | open process

竹のブランコ

少し前になりますが,由布市庄内町でブランコを作りました。
作り方も含めて紹介します。
用意するものは竹(今回は真竹)を4本、ロープのみ。

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まず竹を地面に置きます。

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交点をロープで結びます。

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4本の竹の根元を両側から持ち上げて完成。
持ち上げる前に座るところのロープは垂らしておく。
竹がズレないように地面に穴をあけておくとよい。

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高さは5メートルぐらい。
竹がたわんでちょっと怖いです。

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初めは葉をつけて作りましたが,風が強くて倒れてしまいました。
デザイン的にはこちらのほうが良いんですが,安定性がよくなかったですね。

竹を山から切り出して完成するまで、大人4人で1時間でできてしまいました。
ぜひ皆さん挑戦してみてください。
# by first-nakatomi | 2010-02-04 23:05 | open process

台湾訪問記 その4(民芸)

台湾訪問記の4回目は、民芸について。
まさか日本の民芸を、台湾で見るとは驚きです。

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左からウィリアムモリス、柳宗悦、顔水龍と並んでいます。

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顔水龍は台湾の手仕事を再評価して、復興させた方。

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柳以外にも、芹沢銈介、河井寛次郎、浜田庄司、棟方志功まで。

民芸が好きな方は必見の展示室です。
もちろん台湾の昔の手仕事もいろいろ見ることができます。
# by first-nakatomi | 2010-02-03 22:44 | information

台湾訪問記 その3(産地訪問)

今回は台湾の竹の工房訪問のレポートです。
台湾工芸研究所の先生の案内で、竹産業の産地である南投県竹山鎮を回りました。
内陸の山中にある地域で、たくさんの竹に関する職業の方達の工房がありました。

面白いと思ったのは、『台湾工藝之家』という国の認定制度があり、ある一定のクオリティーを保っている工房にはこの看板が掲げられていて、観光の指標となっていました。
今回お伺いした何カ所かにはこの看板が掲げられており,工芸家がギャラリーを併設していました。

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ここは竹を燻製にする「悦山工房」。
釜の中に竹を入れて、10日以上燃やした木の煙でいぶします。
煤竹のような味わいのある竹が出来上がります。
防カビや防虫の効果もあります。

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この椅子は燻製竹でできています。
なかなか良い味わいです。
制作者はこの方。(すみませんお名前を忘れてしまいました。)
8畳ぐらいの工房で、わずかな道具を使って竹の家具を制作しています。
実演をしてもらいましたが,ほとんど神業です。
すくない道具と、自分の技術でものを作るということは、原始的かもしれないけれども、それがかえって、人間らしさのあふれたモノを生み出せると思います。
竹工芸のよさって、そういうところにあるんでしょうね。

昔は生活の中に竹の家具(箪笥、椅子、テーブル、ベッドなど)がたくさんあったそうですが,最近は古いものと見なされてあまり使われなくなっているそうです。
竹の家具は、年月が経つとつなぎ目が緩んできてギシギシ音が鳴るのが若い人に敬遠されるみたいです。
音や揺れは、かえって生活に風情がでると思うけどなあ。
帰りにこの椅子を1脚購入しました。

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この方は竹工芸家の葉寳蓮さん。
今回拝見した中では一番独創性あふれた、すばらしい作品を作られる作家の方です。
作品の写真をうまく撮れなくて、アップできないのが残念です。
今後どういう作品を作られるのか、注目しています。

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これは葉基祥さんの茶合。
1台湾ドル=約3円。
味のある作品がたくさんありました。
『台湾工藝の家』に認定されている工房で、竹彫の茶道具をたくさん作られています。
竹山鎮に行かれる方は、葉さんの工房兼ギャラリーは要チェックです。
本当に工芸家らしい工芸家です。
おいしいお茶、ごちそうさまでした。

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最後は「大禾竹藝工房」の竹でできた iPhoneケース。
台湾では有名な竹の工房らしく、いろいろなところにショップがあります。
そのうち日本にも出店しそうなくらい、洗練されたデザインとアイデアあふれた商品を作っています。
中国の伝統的な茶道具や風水の道具から、現代的な家具やPC関連商品まで幅広く生産しています。
日本にはこういう竹の工房はないですね。

技術的には竹の積層材を使い、木工や指物の技術の高さに特徴があります。
ここも必見。
できれば竹山鎮にある本店が一番品揃えが豊富なのでおすすめです。

たくさんの工房を訪問して驚いたのは、みなさん代々の家の仕事ではないことです。
20年前に将来性を感じて始めたとか、材木を扱っていたのを竹材に転換したなど、竹を職業として成り立たせる気概もって、仕事を始められていました。
日本はどうなんだろうと考えさせられました。
手仕事として竹細工に憧れる若い人は多いけれど、仕事としての気概を持っている人がどれぐらいいるか心もとないです。
学ぶことが多い旅でした。
# by first-nakatomi | 2010-01-31 18:17 | information