竹の油抜き 2018

ここ数年、自分たちで材料の竹を確保するための活動を行っています。
共同管理している竹林から伐採した青竹を油抜きして、白竹(晒竹)にすることです。

竹工芸の仕事は、竹を割ることから始めるのが一般的でしたが、製竹業者の高齢化で、いつまで質の良い竹を確保できるか心もとなくなってきています。
何人か仲間がいれば、それほど難しいことでもないので、竹林の管理から油抜きまで行っています。

竹田の冬は寒く、風が直接竹に当たると表面に霜が降りるので、屋根のある風の当たらない所に初冬に伐採した竹を、陰干ししておきました。

窯は耐火レンガを積み重ねただけの原始的なもの。
土台は普通のコンクリートブロック。
灰を掻き出すために、両サイドに4箇所穴を開けています。
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火の抜けを良くするために、後ろを煙突のように少し積み上げています。
これを更に伸ばすと、空気の抜けが良くなり、燃料が完全燃焼されると思います。
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釜のサイズは、40 x 40 x 200 cm、容量 320L。
右側奥下に水抜き栓あり。
素材は鉄。
友人の懇意の鉄工所で制作してもらいましたので、価格は約15万円。
ステンレスだと20万円弱だそうです。
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300L水を入れて蓋をし、お湯が沸くまで約2時間かかります。
寒い冬であることと、釜が吹きさらしであることも時間がかかる要因でしょう。
製竹業者の方は、土を被せた長い筒(傾斜有)で、底部を熱するだけですので熱効率は高いです。

沸騰したお湯に弱アルカリのソーダ灰(炭酸ナトリウム)を0,5〜2%入れます。
強アルカリの苛性ソーダでも、濃度と廃液処理に気をつければ問題ありません。
今年はソーダ灰を0,5%から初めました。
人間も竹も弱酸性なので、ずっと油抜きをしていると中和されてゆくので、300gずつ数回追加。

要点は、ソーダ灰の量は少し多めで、お湯は沸騰させ竹が充分熱せられること。
もちろん竹が浮いてこないように、節は抜いておきます。

10分ほど煮て、雑巾で拭き取り天日で干します。
今年は昨年よりもきれいに仕上がりました。
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荒れた竹林の整備から始めて5年。
ようやく形になりつつあります。
お米づくりと同じ1年1作で毎年試行錯誤しながらですが、竹への理解と愛着が深まってゆくようです。

# by first-nakatomi | 2018-02-10 21:57 | open process

Japan Object.com

Japan Object.comでの日本の竹工芸についての記事の中で紹介されました。

2人の外国人の方が中心になり編集している、日本の文化・観光についてのウェブサイトです。
こういう方が居るのだなあと、新しい時代を感じます。

# by first-nakatomi | 2018-02-04 21:25 | information

大雪

今冬は寒さが厳しいですね。
工房周辺も雪景色。
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明日、竹の油抜きを予定しているので、天気が回復しますように。

# by first-nakatomi | 2018-02-01 12:28 | daily life

共縁 ---Frill に至るまで---

少し専門的ですが、共縁技法について。

編みひごをそのまま縁にすることを「共縁」といいますが、共縁の技法はとても可能性を持っていると以前から考えていました。
竹籠の編みの面白さを無くす、躍動感を失う最も大きな要因が、直線的な縁にあります。
編んでいる段階では非常に面白く見えたものが、縁を取り付けることで大きな魅力を失う場面を何度も目にしてきました。
ただ、構造的に縁をつけないと編みが解けてしまいます。
また、竹籠制作で最も難しい部分が縁の処理です。
この縁の問題を解決しない限り、竹藝が新しい表情を獲得することができないのではないかと思っていました。
これまでの自分の制作テーマの1つが、竹藝における縁の自由を獲得することです。
縁の自由を獲得すれば、竹藝の大きな可能性が広がっていると思います。

最初期の作品「漣橋」(2002年制作)はその問題点を解決するべく取り組んだものでした。
ただ、この作品のように曲線的な籐の縁を作るというのは技術的に非常に難しく、かなり無理のある解決法でした。
今も制作しているシリーズではありますが、縁の前段階で気が重くなりがちです。
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その後、いろいろな共縁技法に取り組むことになります。
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2007年から始めているPrismシリーズも、縁の問題から自由になれるという点で、この問題を解決するべく制作したものとも言えるでしょう。
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現在取り組んでいる「Frill」シリーズは、これまでの縁の取り組みの延長線上にあると言えます。
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# by first-nakatomi | 2018-01-26 20:48 | open process

Frill

Frill 第2作目。
前回よりも長くして、ボリューム感を持たせています。

別府市竹細工伝統産業会館で行われる、「くらしの中の竹工芸展」(2018年1月30日〜2月12日)に出品しています。
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# by first-nakatomi | 2018-01-22 21:36 | works