工芸と和食

工芸は素材重視、できる限り素材の良さを引き出すことが善しとされています。
とても日本的な考え方ですが、和食の考え方に通じるものがあります。
作品のテーマも必然的に、自然をモチーフにしたものが多いように感じます。

自分の作品の幾何学的シリーズは、そういう日本的な制作スタイルに批評的な視点から制作しています。
しばしば指摘されるのは、「竹らしくない」「金属みたい」。
それはそうだと思います。
素材を表に出さない試みですから。
ただ、熱で曲がるという竹の特質を活かした作品であり、素材感を消すことで滲み出る竹の素材感(回りくどいですが)を感じられる作品です。
個性を消すことで、本当の個性が現れるようなものでしょうか。
画像で見るだけではわかりにくく、実物を見てもらえると伝わると思います。

【底編み→立ち上げ→胴編み→縁】という竹籠の常識的制作工程から開放されたい、自由になりたいという求めから、幾何学のパーツを組み合わせて自由に形をつくる手法にたどり着きました。
シンプルであることは、大きな自由を獲得できるものだと実感しています。
禅の思想に繋がるみたいですね。


by first-nakatomi | 2017-09-11 21:03 | thinking
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