少し専門的ですが、共縁技法について。 編みひごをそのまま縁にすることを「共縁」といいますが、共縁の技法はとても可能性を持っていると以前から考えていました。 竹籠の編みの面白さを無くす、躍動感を失う最も大きな要因が、直線的な縁にあります。 編んでいる段階では非常に面白く見えたものが、縁を取り付けることで大きな魅力を失う場面を何度も目にしてきました。 ただ、構造的に縁をつけないと編みが解けてしまいます。 また、竹籠制作で最も難しい部分が縁の処理です。 この縁の問題を解決しない限り、竹藝が新しい表情を獲得することができないのではないかと思っていました。 これまでの自分の制作テーマの1つが、竹藝における縁の自由を獲得することです。 縁の自由を獲得すれば、竹藝の大きな可能性が広がっていると思います。 最初期の作品「漣橋」(2002年制作)はその問題点を解決するべく取り組んだものでした。 ただ、この作品のように曲線的な籐の縁を作るというのは技術的に非常に難しく、かなり無理のある解決法でした。 今も制作しているシリーズではありますが、縁の前段階で気が重くなりがちです。 その後、いろいろな共縁技法に取り組むことになります。 2007年から始めているPrismシリーズも、縁の問題から自由になれるという点で、この問題を解決するべく制作したものとも言えるでしょう。 現在取り組んでいる「Frill」シリーズは、これまでの縁の取り組みの延長線上にあると言えます。
by first-nakatomi
| 2018-01-26 20:48
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